介護施設における感染対策~感染対策の基礎知識~

介護施設における感染対策~感染対策の基礎知識~

インフルエンザは例年12月から3月にかけて流行します。国立感染症研究所が2018年1月5日に発表した調査によると、その時期には自治体が注意報を発令するレベルになり、それ以降も患者数が増える見込みになっています。高齢者はインフルエンザにかかると重症化しやすいと言われていますので、施設内でもできる限りの感染対策をしておきましょう。

【注意すべき主な感染症】
高齢者施設で注意すべき主な感染症としては、以下のものが挙げられます。

1.集団感染を引き起こす感染症
インフルエンザやノロウィルス感染症など

2.健康な人は感染することは少ないが、高齢者が感染する可能性の高い感染症
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症、緑膿菌感染症など

3.血液、体液を介して感染する感染症
肝炎、HIV感染症など

【感染症対策の3つの柱】
1.感染源の排除
吐しゃ物、排泄物などが感染源になりうるものですが、決して素手では触らず、手袋を着用しましょう。手袋を脱いだ後は、手洗い、手指消毒が必須です。

2.感染経路の遮断
感染源を遮断するには、感染源(病原体)を持ち込まない、持ち出さない、拡げない、ことです。基本的なことですが、手洗い・うがいの励行、施設内の環境整備としての清掃が重要です。

また、インフルエンザのような流行を起こしやすい感染症は施設内で新規に発生することはまれであると考えられます。職員、面会者などが施設外で感染し、持ち込んでしまうことが多くなっています。

3.宿主(ヒト)の抵抗力の向上
普段の生活における入居者の健康管理が抵抗力の向上に繋がります。日々の健康状態を把握・記録し、少しでもいつもと違う状態が発見されたらすぐに対応します。インフルエンザのように流行時期が特定しやすいものであれば、予防接種も効果的です。

【感染症が発生してしまったら】
どんなに予防していても、必ず防げるものではありません。施設内で感染症が発生した際には、素早い対応が求められます。

1.発生状況の把握
感染症や食中毒が発生した場合や、それが疑われる状況が生じた場合は、症状のある人の状況や講じた処置などを記録しておきます。

2.感染拡大の防止
感染拡大を防止するため速やかに対応します。職員からの媒介感染には特に注意が必要です。配置医師の指示に従い、施設内の消毒や感染した入居者の隔離などを行いましょう。

3.医療行為
配置医師は必要な医療処置を行います。施設内での対応が困難な場合は、協力病院をはじめとする地域の医療機関へ感染者を移送します。

4.行政への報告
施設長は報告が必要な場合、市区町村の高齢者施設主管部局、保健所に報告します。

参考:報告が必要な場合
・同一の感染症や食中毒による、またはそれらが疑われる死亡者や重篤患者が1週間以内に2名以上発生した場合
・同一の感染症や食中毒による、またはそれらが疑われる者が10名以上又は全利用者数の半数以上発生した場合
・上記以外の場合であっても、通常の発生動向を上回る感染者等の発生が疑われ、特に施設長が報告を必要とすると認めた場合

5.関係機関との連携
状況に応じて関係機関に報告し、対応を相談し、指示を仰ぐなど、緊密に連携を取りましょう。合わせて職員への周知、家族への情報提供も行います。

関連リンク

「高齢者介護施設における感染対策マニュアル(平成25年3月)」の公表について(厚生労働省)

インフルエンザ(総合ページ)(厚生労働省)

参考:厚生労働省 「高齢者介護施設における感染対策マニュアル(平成25年3月)」の公表について
http://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/tp0628-1/

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