【第6回】外国人労働者や介護ロボット、介護業界の未来

【第6回】外国人労働者や介護ロボット、介護業界の未来

介護経営に詳しい社会保険労務士の三浦先生にお話しを聞くコーナー。第6回となる今回は、外国人労働者や介護ロボットの導入をテーマに考えていきます。

―――― 介護業界の大きな問題として人手不足があります。それを解決するひとつの手段として外国人労働者や介護ロボットなどがあげられますが、先生はどのようにみていますか?

三浦先生 外国人労働者は合う業界と合わない業界があります。建設現場などの肉体労働の仕事は、しゃべらなくてもいいのでなんとかなりますよね。でも介護は肉体労働の側面とコミュニケーションの側面を両方持っているので、外国人労働者には難しい業界というのが僕の見解です。

―――― 日本に対しての理解や日本語能力が求められる。

三浦先生 そうですね。単純な肉体労働だけではないので、他業種と比較すると雇用しづらいのが現状だと思います。こういった背景もあり、介護ロボットには今注目しています。

「ロボット技術の介護利用における重点分野」

分野 項目
移乗介助(装置) ロボット技術を用いて介助者のパワーアシストを行う装置型の機器
移乗介助(非装置) ロボット技術を用いて介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器
移動支援(屋外) 高齢者等の外出をサポートし、荷物等を安全に運搬できるロボット技術を用いた歩行支援機器
移動支援(屋内) 高齢者等の屋内移動や立ち座りをサポートし、特にトイレの往復やトイレ内での姿勢保持を支援するロボット技術を用いた歩行支援機器
排泄支援 排泄物の処理にロボット技術を用いた設置位置調整可能なトイレ
認知症の方の見守り(介護施設) 介護施設において使用する、センサーや外部通信機能を備えたロボット技術を用いた機器のプラットフォーム
認知症の方の見守り(在宅介護) 在宅介護において使用する、転倒検知センサーや外部通信機能を備えたロボット技術を用いた機器のプラットフォーム
入浴支援 ロボット技術を用いて浴槽に出入りする際の一連の動作を支援する機器

引用元 「ロボット技術の介護利用における重点分野」を改訂しました(METI/経済産業省)http://www.meti.go.jp/press/2013/02/20140203003/20140203003.html

参照サイト http://robotcare.jp/

―――― 介護ロボットにも様々な種類がありますが、どの分野に着目していますか?

三浦先生 介護スーツのような、移乗介護(装着)にあたるものは、正直ちょっとイメージしづらいと思っています。入浴支援や排泄支援などもありますが、多額の導入費用がかかるものは小規模の施設には難しいでしょう。一方で、センサー技術を用いた見守りシステムは、現場のスタッフの生産性をあげるために活用できそうです。重点分野は認知症となっていますが、もう少し広く捉えて、施設入居者の管理や独居老人対策まで応用できるものがあるといいですね。

―――― ロボット導入というよりは、施設のシステム化やIT化というイメージですね。

三浦先生 そうです。これからの介護業界では、いかに効率よく少人数で運営していける体制をつくるかも大事になります。ロボットやシステムを導入して、生産性をあげることは大命題です。ただ、ここでひとつ問題が……。

―――― どんな問題でしょう?

三浦先生 介護業界は働いている人の年齢も高いんですね。60代・70代でも働けるというのは介護業界のメリットでもありますが、システム化や介護ロボットの話に限っていうとデメリットになります。現状の介護施設は非常にアナログな管理ですし、スマホが使えないスタッフもいるわけですから、そこも考慮したうえで「どんなシステムや介護ロボットであれば現実的なのか」を吟味する必要があります。

―――― 使う人の年齢やITリテラシーにも配慮がいるわけですね。

三浦先生 はい。それがクリアになったうえで、介護施設の現場で仕事効率の改善につながるものがあるとよいのではないでしょうか。

例えば、介護施設は昼も夜も見守りが必要ですが、入居者の状態を管理できるようなシステムを導入すれば、今まで3人必要だった夜勤が1人でよくなるかもしれない。入居者の情報を共有管理できるようなツールをいれれば、一人ひとりにきめ細やかなケアをしてあげられるようになるかもしれない。

介護ロボットを上手に活用することは、職場環境の改善や入居者ケアの質の向上にもつながります。どんな介護ロボットやシステムがあるのか、常にアンテナをはっておくことをオススメします。

<介護ロボットについてはコチラ>
よろず介護コラム『介護ロボットってどんなもの?』
http://assist-kaigo.com/archives/2676

三浦 修先生プロフィール

【資格】
・社会保険労務士 ・2級FP技能士(ファイナンシャルプランナー)
・全米NLP協会公認プラクティショナー
・LABプロファイル(R)プラクティショナー

【役職】・クロスフィールズ人財研究所(社会保険労務士事務所)代表 http://www.cf-labo.jp/
・一般社団法人 医療介護経営研究会(C-SR)代表理事 http://www.c-sr.jp/
・社労士の実務経営を考える会 主宰 http://sr-keiei.com/
・一般社団法人 マイナンバー推進協議会 顧問 https://www.mynumber.or.jp/

【プロフィール】
2003年社会保険労務士試験合格後、税理士法人さくら優和パートナーズに会計監査担当として従事。会計事務所では会計監査業務(特に医療介護)、はじめ税務調査対応等、社会保険労務士業務等幅広く経験。その後2008年8月にクロスフィールズ人財研究所開設、現在に至る。

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